月間ゴルフレビュー コース探訪 に掲載されました


月間ゴルフレビュー【3月号】にカレドニアン・ゴルフクラブの
記事が掲載されました。

ゴルフレビューコース探訪 231
カレドニアン・ゴルフクラブ
(千葉県山武郡)

リンクスランドとアメリカンスタイルがミックスされ
これに日本の美が加わった数少ないホンモノのゴルフコース
大きな池を挟んで並ぶ18番(Par5)と13番(Par4)正面左のクラブハウスと右のアネックスとの調和が美しい

 自然の地形を生かしたリンクスランドのたたずまい。ショットを繋ぎ、スリリングなパットを楽しむアメリカンスタイルの造形。四季折々に咲き乱れる花木や、花々の美しさ。
 ゴルフコースに一番大切な要素がすべて盛り込まれたコースが、日本にあることを、迂闊にして気にもとめていなかったことが今にして悔やまれる。それも都心から、わずか1時間足らずの至近距離にあったとは・・・・・。
 千葉県山武郡横芝光町にある「カレドニアン・ゴルフクラブ」もちろんこれまで数々のトーナメントを開催し、評判も高かったのだが、なぜかあまりプレーする機会に恵まれず(10年ほど前までに2〜3度プレーしたことはあるのだが、未熟なせいもあって深く観察する余裕もなかった)。
 ところが昨年11月、そして今年1月と2度に渡ってプレーすることになり、その魅力を体の芯から味わうことになったのだ。
 コースのレイアウト、メンテナンスだけでなく、その美しさ、練習施設の充実、運営スタイル、クラブハウスのたたずまい、食事の美味しさ、従業員のホスピタリティ。何もかもが水準の上をいき、そして何よりも感じ入ったのはオーナー夫妻のコースに対する限りない愛情と、理解の深さである。
理想的なコースを実現している早川夫妻

 それは後ほど触れるとして、ここは先ほど触れた現東京グリーン富里カレドニアン株式会社(本社東京千代田区麹町)の取締役会長であり、創業者の早川治良氏(76)が、「ホンモノのコースを造りたい」との理想で、J・マイケル・ポーレットに設計を依頼、1990年10月にオープンした。
 ポーレットは高名なロバート・トレント・ジョーンズ・シニアに師事し、世界中に200コースほど設計している。そのコンセプトは「ゴルフコースは自然を尊重し、1つとして同じホールがなく、18ホールがハーモニーしあって、あたかもシンフォニーを奏でるごとくでなければならない」
 カレドニアンGCはポーレットの設計哲学が具現化され、これに日本的な美が加わった、ゴルフコースの見本ともいえる作品に仕上がっている。まさに大地に刻まれたアートといっていい。

オーナーの早川治良氏が世界中の名コースを視察し
その見聞、見識を基に作り上げたホンモノ志向の18ホールと
初枝夫人が花で埋め尽くした現代版エデンの園のカレドニアンGC
 カレドニアンGCはポーレットによる基本設計だが、他にゴルフ史家の摂津茂和氏や、評論家でゴルフコース設計家としても知られる金田武明氏(共に故人)のアドバイスも取り入れられている。
 また創業者の早川氏は夫人の初枝さんとともに英国のリンクスランドをはじめ、米国のオーガスタ・ナショナル、サイプレスポイントなど、世界中の名だたる名コースをプレーし、見聞を広めている。その知識、見識をカレドニアンに注ぎ込んでいる。
 リンクスランドの自然、人間の英知を結集したアメリカンスタイルの造形。金田氏はその両者をミックスしたカレドニアンを「モダン・クラシック」と表現して高く評価した。
 さらに同コースは、過去10年以上にわたり、アメリカのゴルフ雑誌「ゴルフダイジェスト」や「ゴルフマガジン」誌が提唱している「世界名コース100選」に毎年ノミネートされてきた。つまり国際的にも高い評価を受けているのだ。
 それは、日本のアマ史上最強・最高のプレーヤーと現在も評価される故中部銀次郎氏が、このコースに愛着を感じ、足しげく通ったことでも、その素晴らしさ、面白さが証明されている。

千変万化の18ホール
18番グリーン(手前)とビーチバンカーが美しい13番

 まあ、堅い話はともかく、コースの魅力に触れてみよう。
 前にも説明したように、ここは一つとして同じホールがない。
 千変万化というか、一つ一つのホールに個性があり、それが絶妙に繋がり、9ホール、18ホールを回るとまさにオーケストラのシンフォニーのように心地よい響きをもたらす。
 例えばアウト2番。ここは軽い打ち下ろし、打ち上げの左ドッグレッグ、パー5ホールだが、フェアウェイ左サイドが深くえぐれ、1打、2打の狙いは右サイド。うまくルートをつないでベストポジションをキープしたとしても第3打にさらに試練が待ち受ける。打ち上げのグリーンは縦長で、手前から奥まで70メートル近い。おまけにグリーンは大きく3段に段差がある。ピンが奥で、アプローチが手前に乗れば下まで転がり落ちる。下にピンが切ったときに、上の段にボールが乗れば、まるでスキー場のスロープのように急激な下りのパッドが待ち受ける。
 6番のパー5ホールは打ちおろし右ドッグで、第2打からはグリーン手前まで右サイドに大きな池。フェアウェイは右に傾斜し、わずかにスライスすればボールは池に転がりこむ。
 グリーンはといえば、左右前後におおきなうねりがあり、落とし場所によって簡単に3パット、4パットも出る。
 インの後半はまさに、シンフォニーのクライマックスになる。
さながらオーガスタ!美しいつつじに囲まれる15番グリーン

 14番はバックティなら385ヤード、レギュラーなら357ヤードの短いパー4。ところがグリーン手前右半分には大小のマウンドが連なり、右にピンが切ってあれば、グリーンはブラインドになる。ここは想像力、距離感、弾道など五感をフルに使っての攻め方が要求される。まさにリンクスの風情そのもの。
 そして続く15番は、フラットなパー5ホールだが、グリーン手前から左サイドにかけてクリークが流れる。聞けばオーガスタ13番ホールをイメージしたとかで、点と点をつなぐスリリングなホールだ。
 そして最終18番(パー5)は、右サイドに大きな池が横たわり、勇気を持って第3打で池をカットして最短ルートを狙うか、あるいは安全ルートで左から攻めるかの判断が必要になる。グリーンは横長で右半分は池越えになり、左縁は真っ白なビーチバンカーが眼に飛び込んでくる。ここはアメリカンスタイルの美しくも、難度の高いホールだ。
 各ホールともティーショットの景色に歓声を挙げ、落としどころに迷い、グリーンに上がれば、スリルとため息の連続だ。
夏は百日紅の花。18ホールそれぞれの個性が味わえる

花で溢れる桃源郷
 だがホールが複雑で、個性があるということは、飽きがこず、集中が高まるということでもある。だからこそカレドニアンは誰が回っても面白いということにもなる。
 だがここの更なる魅力は四季折々コースを彩る花々の美しさ。
 これは早川会長夫人の初枝さんの尽力によるもの。
 春の陽光桜、桃、こぶし、マグノリアから始まり、姫金魚草、ナデシコ、白水仙、ポピー、つつじ、紫陽花、秋の紅葉になると様々の色を出す樹木の数々。
 初枝夫人は花好きが高じてアメリカの大学から花木に関する講師依頼まできたほど。あらゆる種類の花々を研究し、時には徹夜までする勉強家。
 ただ花を植えるだけではない。花の性質、芝や土との相性、花同士を殺しあわないためのバランス、害虫のつかない工夫。まるで花博士のように、花木を慈しみ、育てる初枝さん。
 特徴は花壇を作り、これ見よがしに押し付けるのではない。あくまでコースが主役で、花はそのアクセサリー。だからさりげなく人の目に触れ、癒しをもたらすような植え方に徹している。「花と対話し、会員の方や、訪れるゴルファーの方たちの心の安らぎになればという思いで植えてます。」(初枝夫人)
 季節になれば、さながらエデンの園のように美しく装うカレドニアンの花々。これもコースに愛情を持つ早川夫妻なればこそ。
波うつフェアウェイから眺めるクラブハウス

 同クラブは、日本で唯一会員で組織する中間法人が大株主で自主再建に成功したことでも知られている。会員は間接株主会員として、経営にも参加しているから、まさに会員主体のクラブ運営が実現している。それが良好なクラブライフをかもし出している理由でもある。
 現在更なるクラブ運営の充実化を図るため、正会員の補充募集(80名)を実施中だ。募集金額は法人・個人正会員(縁故)で、229.6万円(入会金120万円、預かり保証金100万円、消費税9.6万円)募集期間は平成26年4月15日から(定員になり次第締切)
 コース、メンテナンス、運営と3拍子揃ったカレドニアンGCは、人生を楽しむまたとない環境に恵まれている。

(文 宮崎紘一)


月刊ゴルフレビュー 【3月号】(発行所:(有)ジーエフ企画、2013年2月20日発行)より転載